おすすめの本⑦『トーコーキッチンへようこそ!』 | セリタホームズ

おすすめの本⑦『トーコーキッチンへようこそ!』

はじめに

お久しぶりです。三枝です。今回もおすすめの本『トーコーキッチンへようこそ!』を紹介させていただきます。

セリタホームズは、地域に根ざした住宅メーカーとして「住まいを引き渡した後も、オーナー様やご入居者様とどのように関係を育んでいけるか」を常に模索しています。そんな私たちの視野を広げてくれたのが、『トーコーキッチンへようこそ!』です。本書が描く食堂の物語には、住宅会社が地域と入居者へ継続的に価値を届けるためのヒントが詰まっていました!

トーコーキッチンとは!?

トーコーキッチンは、神奈川県相模原市の東郊住宅社という不動産会社さんが運営する“入居者専用食堂”です。食堂の扉は各部屋で実際に使われているカードキーでのみ開き、朝食100円・昼夕食700円という破格の価格で栄養バランスの良い手作り定食を毎日提供しています。駅近の20席ほどの小さな店ながら、年末年始を除いて朝8時から夜8時まで開店し、部活帰りの学生や単身赴任の社会人、高齢の入居者まで幅広い層が「第二の我が家」のように集っているそうです。

 あえて、入居者と関係者に対象を絞ることで“ここだけの特別感”を醸し出し、コミュニティの結束を自然と強めている点が、トーコーキッチンの大きな魅力です。

素晴らしい運営哲学!

本書が示すもう一つの鍵は、「あえて不便を残す」運営哲学です。券売機を置かずスタッフが対面で注文を受け、配膳や返却をセルフにすることで会話が生まれやすい導線を確保しているそうです。

 さらに冷凍・レトルト食品を使わず地元農家の野菜や手作りの惣菜にこだわり、食堂での体験そのものを“安心”と“健康”で包み込んでいます。赤字覚悟の100円朝食は、単なるサービスではなく「入居者を見守り、毎日声を掛ける仕組み」の要であり、不動産業が地域課題に寄り添う姿勢そのものだと感じました。

オーナーズクラブに活かせるポイントは?

本書から得た示唆をセリタホームズの事業に重ねると、引渡後もオーナー様とご入居者様の暮らしを支える交流拠点の可能性が見えてきます。たとえば管理物件の入居者限定で朝食カフェを試験導入したり、地元農家と連携した週末マルシェや見守りサービスを組み合わせることで、住宅の価値を超えた「地域の安心資産」を創出できるかもしれません。こうした取り組みはブランディング強化につながるだけでなく、オーナー様と私たちが長く信頼関係を築く土台になるはずです。

おわりに

『トーコーキッチンへようこそ!』は、不動産会社が地域と入居者の課題に真正面から向き合い、新しい価値を生み出す挑戦を描いた一冊です。セリタホームズもまた、地域の未来を支える企業として、住まいの“外側”に広がるつながりを大切にしていきたいと、あらためて考えさせていただきました!