一戸建てをお考えの方にぜひ知っていただきたいのが、耐震性能についてです。
地震の多い日本で住まいを考える際、耐震性能が気になりますよね。
この記事では、耐震基準と耐震等級、一戸建ての耐震性能を確認する方法、耐震性能をチェックする際のポイントの3つをご紹介します。
ぜひお役立てください。
■耐震基準と耐震等級とは?
耐震性能を考える際によく目にするのが、耐震基準と耐震等級です。
似たような言葉であるため、混同してしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、それぞれには明確な意味の違いがあります。
まず、耐震基準と耐震等級の違いとして最も大きいのが、その目的です。
耐震基準が人の命を守ることを目的として定められているのに対し、耐震等級は人の命に加えて住宅を守ることを目的として定められています。
つまり、大地震が起きた際に人命を確保する目的と住宅へのダメージを最小化する目的の両方を果たすための指標が耐震等級なのです。
以下、これら2つの言葉について詳しくご説明します。
●耐震基準とは
耐震基準とは、建築基準法および建築基準法施行令で規定されている耐震性能の基準のことです。
建物の建築を許可するための条件として、行政によって定められています。
そのため、この基準を満たしていない建物は、建築確認の許可が下りず建築できません。
つまり、建築基準は、必要最低限の耐震性能を表す指標だと言えるでしょう。
●耐震等級とは
一方耐震等級とは、2001年に施行された品確法で定められる耐震性能の指標のことで、全部で3段階の指標が定められています。
耐震基準とは違う法令で規定されている指標で、耐震基準とは連動性がありません。
具体的には、耐震等級を満たしていなかったとしても、耐震基準が満たされていれば建物の建築が可能です。
全3段階で表される耐震等級ですが、等級1は建築基準法で定められている耐震基準と同等の耐震性を表します。
それに対し、等級2が対象とするのは、壁量計算とともに耐震計算を用いて設計された住宅です。
最後に等級3が対象とするのは、本格的な構造計算となる許容応力度計算を用いて設計された住宅です。
■一戸建ての耐震性能を確認する方法をご紹介!
一戸建てを考える際、どのように耐震性能を確認すれば良いのでしょうか。
住まいの強度を確認する方法としては、主に2つの方法があります。
1つ目は、壁量計算を用いる方法です。
建物の壁量を調査する簡易的な方法で、建物にかかる地震力と風圧に対して必要な壁量を満たしているかを計算によって確かめます。
まず、耐力壁の倍率に長さをかけたものを壁の種類ごとに求めます。
そして、その総和が必要な壁量を超えているか調べることによって、一定の耐震性能が満たされているか確認します。
2つ目は、構造計算を用いる方法です。
この方法では、建物の壁の量、基礎・地盤の強度、部材の強度を緻密に計算します。
具体的には、固定荷重や地震荷重などに対して、どのように建物の構造体が変形し、どのような応力が発生するのかを算出します。
長期優良住宅の申請には、耐震等級2、3が必要となります。
これらの計算は、この等級を取得する際に必要となるため、申請をお考えの方は念のためチェックしておきましょう。
■耐震性能をチェックする際のポイントをご紹介!
耐震性能をチェックする際には、どのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。
ここでは、そのチェックポイントを4つご紹介します。
まず1つ目は、築年数です。
耐震性能を考える際、築年数は重要なポイントです。
そして築年数を見る際には、昭和56年以降に建てられた建物かどうかという基準で考えましょう。
日本の木造住宅の耐震性能がその年を境に大きく異なるからです。
2つ目は、災害経験の有無です。
一度地震や台風による強い揺れを受けると、建物の接合部に大きな負荷がかかります。
また、水害で基礎まわりの地盤が弱くなっている場合、地震の揺れの影響を受けやすくなるでしょう。
災害経験の有無はできる限り確認しておきたいポイントです。
3つ目は、地盤の強さです。
震度5以上の地震では、液状化現象が発生し、建物が倒壊する恐れがあります。
自治体によってはハザードマップを公開しているところもあるため、お住まいの地域の地盤はできる限りチェックしておきましょう。
4つ目は、壁量です。
地震によって横から加わる力への耐久力を決定するのは、建物の壁量です。
一般的には、構造に関わる壁が多いほど耐震性能が高くなると言われています。
また、窓などの開口部の有無によっても壁の強度が変わってきます。
住まいの耐震性能を考えるときは、壁の量をチェックするようにしましょう。
■まとめ
耐震基準と耐震等級、一戸建ての耐震性能を確認する方法、耐震性能をチェックする際のポイントの3つをご紹介しました。
住まいの耐震性能について少しでも不安がある方は、上記のことを参考にしてみてください。
ご不明点がございましたら、お気軽に当社までご相談ください。